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ホテルや旅館で働ける特定技能の宿泊とは?業務内容や試験情報を解説
特定技能「宿泊」とは、高い知識と技術を持つ外国人が日本のホテルや旅館で働くための資格です。本記事では、特定技能「宿泊」の業務内容や試験情報、資格取得条件について詳しく解説します。宿泊業界でのキャリアを考えている方や、外国人雇用を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。
宿泊業における特定技能とは
出典:pixta.jp
特定技能には1号と2号の2種類があり、それぞれ宿泊業界の現場で求められる技能を基準とした区分です。ここでは、制度が設けられた背景と1号と2号の違いについて詳しく説明します。
1. 宿泊業の特定技能が創設された背景
宿泊業界では、2030年までに訪日外国人旅行者を6,000万人(※)に増やすという政府目標があります。この目標を支えるためには、宿泊需要の増加に見合った人材の確保が必要です。
令和10年度には約60万9,000人(※)の就業者が必要とされていますが、現時点では約2万人、将来的には7万4,000人(※)が不足すると見込まれています。深刻な人手不足という現状です。
項目 | 数値・状況 |
---|---|
訪日外国人旅行者目標(2030年) | 6,000万人 |
宿泊業の必要就業者数(令和10年度) | 60万9,000人 |
現在の人手不足(推計) | 約2万人 |
将来の人手不足(令和10年度) | 約7万4,000人 |
受入れ見込数(向こう5年間) | 最大2万3,000人 |
こうした課題に対処するため、特定技能制度が導入されました。制度を通じて、外国人労働者が宿泊施設のフロント業務や接客、広報、レストランサービスなど、多岐にわたる業務を担うことが期待されています。
2. 宿泊業における特定技能1号と特定技能2号の違い
特定技能1号と2号には、必要な技能水準や従事可能な業務内容に違いがあります。以下の表をご覧ください。
項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
---|---|---|
求められる技能 | 相当程度の知識または経験 | 熟練した能力 |
在留期間 | 最長5年 | 上限なく更新可能 |
永住権取得の条件 | 特定技能1号のみでは永住権の取得は不可 | 特定技能2号で一定の条件を満たせば取得可能 |
家族帯同 | 原則認められていない | 配偶者と子どもの帯同が可能 |
特定技能1号では、宿泊業務に必要な基本的な技能と知識が求められます。指導を受けながら業務を遂行できるレベルが基準です。一方、特定技能2号は、独立して業務を進められる高度な技能と専門知識が必要とされます。
在留期間については、特定技能1号が最長5年に制限されるのに対し、特定技能2号は更新の上限がありません。また、家族帯同は特定技能1号では認められていませんが、特定技能2号では条件を満たせば可能です。
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特定技能「宿泊」で従事できる業務内容
出典:pixta.jp
特定技能「宿泊」では、宿泊施設で以下のような業務に従事できます。それぞれの業務内容について、特定技能1号と2号での対応範囲を以下の表にまとめました。
業務内容 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
---|---|---|
フロント業務 | チェックイン・チェックアウト対応 予約受付 お客様対応 観光案内 | フロント業務全般 お客様対応の管理 トラブルシューティング |
客室清掃 | ベッドメイキング アメニティ補充 清掃業務 | 客室清掃業務の管理 改善提案 |
レストラン接客 | 配膳・下膳 オーダー受付 | レストラン業務の統括 スタッフの教育 |
館内案内 | 館内設備の案内 基本的な施設サービス | 館内運営の統括 新サービスの提案 |
特定技能「宿泊」で従事できない業務内容
特定技能「宿泊」では、多くの業務を担当できますが、営業活動や人事管理、経営方針の策定といった業務には従事できません。たとえば、顧客獲得のための外部営業や従業員の採用、評価、給与計算など、施設運営や経営戦略の決定といった業務が該当します。
特定技能「宿泊」の資格取得条件
出典:pixta.jp
特定技能「宿泊」を取得するためには、一定の条件を満たす必要があります。条件をクリアすることで、宿泊業での就労が可能になります。以下に主な条件を解説します。
1. 宿泊業の特定技能試験に合格
特定技能「宿泊」の資格を取得するには、宿泊業務に必要な技能を証明する試験に合格する必要があります。試験は「宿泊分野特定技能1号評価試験」と「宿泊分野特定技能2号評価試験」に分かれており、17歳以上であることが条件です。
2. 日本語能力試験(JLPT)に合格
特定技能1号では、業務に必要な日本語能力を証明するため、「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(JLPT)」でN4以上(※1)の水準を満たすことが条件です。
また、「日本語教育の参照枠(※2)」のA2相当以上であることも認められます。この基準は、日常会話や簡単な業務指示を理解できる能力を示しています。
一方、特定技能2号では、1号の経験を通じて十分な日本語能力が備わっていることが前提です。そのため、追加の試験は課されていません。ただし、高度な業務では専門用語や複雑な指示への対応力が求められます。
※1“宿泊分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針”参照
※2“文化省|日本語教育の参照枠”参照
3. 技能実習2号から移行
技能実習2号を修了した場合、特定技能1号への移行が可能です。この際、一定の条件を満たすと、特定技能の試験が免除されます。
- 技能実習2号を良好に修了していること(実習期間を満了するなど)
- 移行する業種と技能実習で行っていた業務に関連性があること
これらの要件を満たすと、特定技能試験を受けることなく移行できます。
※“出入国在留管理庁”参照
特定技能「宿泊」を有する外国人雇用の要件
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特定技能「宿泊」を有する外国人雇用の要件は、以下の通りです。企業が外国人労働者を受け入れる際に重要なポイントなので、しっかりチェックしておきましょう。
1. 旅館業法の許可を受けること
特定技能「宿泊」で外国人を雇用するためには、宿泊施設が旅館業法に基づく営業許可を取得している必要があります。なお、簡易宿泊所や下宿所、風俗営業に該当する施設では、特定技能「宿泊」の外国人を雇うことはできません。
施設が適切な許可を受けているかを事前に確認することが重要です。
2. 宿泊分野特定技能協議会の構成員になること
雇用主は、国土交通省が設置する宿泊分野特定技能協議会(※)に加入し、協議会の活動に参加する必要があります。加入手続きはオンラインで行うことができ、申請から1ヶ月程度の時間がかかります。外国人を雇用する際は、早めに手続きを進めておくことが重要です。
また、雇用主が業務を委託する場合、委託先も協議会に加入する必要があります。委託先が協議会に未加入の場合、外国人労働者の受け入れや支援活動を適切に行うことができないため、注意が必要です。
※“観光庁|宿泊分野特定技能協議会”参照
3. 宿泊分野特定技能協議会への協力を行うこと
宿泊分野特定技能協議会のガイドラインに従い、協議会の活動に協力することが求められます。雇用主は、外国人労働者の受け入れや支援体制を適切に整備し、協議会と連携してサポートを提供しなければなりません。
具体的には、外国人労働者の面談や労働環境の改善、教育訓練の実施が求められます。協議会との連携を強化し、報告義務を果たすことが重要です。
4. 実務経験の証明書の交付を行うこと
外国人労働者が宿泊業務に従事した場合、雇用主は実務経験証明書を交付する必要があります。労働者が従事した業務内容や従事期間を具体的に記載し、技能や経験を証明するための書類です。
証明書の内容には、業務の種類や従事期間、達成した成果などを記載する必要があります。
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特定技能「宿泊」に関するよくある質問
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特定技能「宿泊」に関するよくある質問をまとめました。外国人の雇用を検討している方は、ぜひチェックしてください。
Q. 特定技能「宿泊」の合格率は?
宿泊分野特定技能評価試験の合格率は試験内容や年度によって異なります。例えば、「宿泊業技能試験センター」が2024年10月に実施した試験の合格率は、1号試験が90%以上で、2号試験は約12%の合格率でした。2号試験の難易度が高いことがうかがえます。
【2024年10月実施 試験結果(※)】
試験内容 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
宿泊分野特定技能1号評価試験 | 1,265人 | 1,167人 | 92.3% |
宿泊分野特定技能2号評価試験 | 8人 | 1人 | 12.5% |
合計 | 1,273人 | 1,168人 | 91.8% |
※“一般社団法人 宿泊業技能試験センター”参照
Q. 宿泊業の特定技能2号はいつから対象?
宿泊業における特定技能2号は、令和5年6月9日の閣議決定により宿泊分野にも適用されるようになりました。これにより、熟練した技能を持つ外国人労働者が受け入れ可能となり、令和5年8月31日から正式に運用が開始されています。
特定技能2号は特定技能1号を取得した後、一定の経験を積むことで、さらに高度な業務に従事できる資格です。
Q. 登録支援機関はどこまでサポートしてくれる?
特定技能1号の外国人を受け入れる登録支援機関は、就業や生活面が安定し、円滑に行えるように以下の義務的支援を行う必要があります。
【義務的支援】
事前ガイダンス出入国する際の送迎住居確保・生活に必要な契約支援生活オリエンテーション公的手続等への同行日本語学習の機会の提供相談・苦情への対応日本人との交流促進転職支援(人員整理等の場合)定期的な面談・行政機関への通報 |
※“出入国在留管理庁”参照
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出典:キャリマ
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宿泊業の人手不足には特定技能者の採用がおすすめ
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本記事では、特定技能「宿泊」の資格取得条件や雇用の要件について解説しました。特定技能「宿泊」を取得するためには、宿泊業の特定技能試験に合格し、日本語能力試験(JLPT)に合格する必要があります。また、技能実習2号からの移行も可能です。宿泊業界でのキャリアを考えている方や、外国人雇用を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。