外国人労働者の最低賃金について解説!日本人労働者との賃金格差は違法?

「外国人労働者を低賃金で雇用している」という声を耳にしたことがある人もいるでしょう。しかし、日本の最低賃金法では、外国人労働者も日本人労働者の最低賃金の同額でなければいけません。労働契約でこれに反する場合は、在留資格を取得できなかったり、罰則を受けたりするので注意が必要です。本記事では、外国人労働者の最低賃金について、日本人との賃金格差対策について解説します。

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目次

最低賃金制度とは?

出典:PIXTA

『最低賃金制度』とは、国が定めた最低賃金の金額以上を労働者に支払わなければならないとする制度のこと。使用者が最低賃金未満の金額しか支払わなかった場合、差額を支払わなければいけないほか、違法となります。(※)

※”厚生労働省 公式サイト”参照

最低賃金の時給はいくら?地域別一覧

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最低賃金は地域によって異なり、令和6年時点での地域別最低賃金額及び発効年月日は以下の通りです。

都道府県名最低賃金時間額
北海道1,010円
青森953円
岩手952円
宮城973円
秋田951円
山形955円
福島955円
茨城1,005円
栃木1,004円
群馬985円
埼玉1,078円
千葉1,076円
東京1,163円
神奈川1,162円
新潟985円
富山998円
石川984円
福井984円
山梨988円
長野998円
岐阜1,001円
静岡1,034円
愛知1,077円
三重1,023円
滋賀1,017円
京都1,058円
大阪1,114円
兵庫1,052円
奈良986円
和歌山980円
鳥取957円
島根962円
岡山982円
広島1,020円
山口979円
徳島980円
香川970円
愛媛956円
高知952円
福岡992円
佐賀956円
長崎953円
熊本952円
大分954円
宮崎952円
鹿児島953円
沖縄952円
※”厚生労働省 公式サイト”参照

外国人も日本の最低賃金が適用される

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最低賃金制度は、国籍に関係なく適用されるため、外国人労働者の最低賃金は、日本人労働者の最低賃金と同等です

外国人労働者の日本語でのコミュニケーションが難しい場合や、教育に時間がかかる場合であっても、最低賃金制度で定められた金額を下回ることは違法になるので注意。

技能実習生でも最低賃金を下回ることは法律で禁止されている

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海外への技能移転を目的とした『技能実習生』であっても、最低賃金制度は適応されます。万が一使用者と外国人労働者が最低賃金以下の金額で労働契約を締結した場合でも、その賃金額は無効となり、最低賃金額で締結したこととなります。(※)

※”厚生労働省 公式サイト”参照

外国人労働者の賃金はいくら?

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外国人労働者の賃金は、在留資格別で異なります。令和5年時点での外国人労働者の在留資格区分別賃金は以下です。

在留資格区分賃金年齢勤続年数
外国人労働者計23.26万円33歳3.2年
専門的・技術的分野(特定技能を除く)29.67万円31.8歳3年
特定技能19.8万円28.9歳2.4年
身分に基づくもの26.48万円44.7歳5.7年
技能実習18.17万円26.2歳1.7年
その他(特定活動及び留学以外の資格外活動)23.13万円30.8歳2.5年
※”厚生労働省 公式サイト”参照

外国人短時間労働者の賃金はいくら?

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短時間労働者の時給については、以下の通りです。

在留資格区分1時間当たりの賃金年齢勤続年数
外国人労働者計1,311円32.8歳2.3年
専門的・技術的分野(特定技能を除く)2,350円35.5歳3.2年
特定技能1,306円28.2歳2.1年
身分に基づくもの1,415円43.6歳4.1年
技能実習1,449円25.6歳1.7年
その他(特定活動及び留学以外の資格外活動)1,228円33.2歳1.7年
※”e-Stat ”参照

※令和5年調査時点

日本人と外国人の賃金の格差と理由

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日本人労働者の平均賃金は、令和5年時点で男女計31.83万円(※)となっており、外国人労働者の平均賃金と比べると、約8万円の差があります。その理由として、在留資格が大きく関係しています。

外国人労働者の平均賃金は、専門的・技術的分野の区分は23.26万円ですが、技能実習の区分は18.17万円となっており、同じ外国人労働者の中でも賃金に差があります。

※”厚生労働省 公式サイト”参照

日本人よりも報酬が少ないと在留資格を取得できない場合がある

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外国人労働者が特定技能の在留資格を取得する際に、同社の日本人労働者よりも給与水準が低かった場合、資格が取得できない可能性があります。

理由として、特定技能雇用契約の内容に「外国人に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること。」というものがあるからです(※)。

※”e-GOV”参照

合理的な取扱いによる報酬の差とは?

外国人であることを理由に、報酬の決定や待遇を決めるといった差別的な扱いをしてはならないとして、日本人従事者と同等額以上の報酬額にするよう定められていますが、合理的な取扱いによる報酬の差に関しては例外と考えられます。

同じ会社であっても仕事内容が異なる場合には、日本人の間でも報酬の差はありますので、このような場合は合理的な取扱いによる報酬の差といえるでしょう。

外国人労働者は居住形態によって所得税が変わる

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外国人労働者の所得税は、居住形態によって変わります。1年以上日本に住んでいたり、日本に住所があったりする外国人は『居住者』に分類され、ワーキングホリデーや短期的に日本に来ている人は『非居住者』に分類されます。

居住者の課税範囲

居住者の課税範囲は「非永住者以外の居住者」と「非永住者」によって異なります。(※)

非永住者以外の居住者国内外で生じた所得
非永住者1. 国内で生じた所得(国内源泉所得)
2. [1]以外の所得のうち国内支払いのものまたは国外から送金されたもの

※”厚生労働省 公式サイト”参照

外国人労働者と日本人労働者との賃金格差対策

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外国人労働者と日本人労働者との賃金格差対策をすることは、働く側の外国人労働者にとっても、雇用する日本の企業や会社にとっても重要です。

法律や国のルールを認識し、異文化を持つ外国人労働者に対してのサポートや受け入れ態勢を整えましょう。

外国人労働者の待遇は日本人同等にする

最低賃金制度は、国籍に関係なく適用されるため、日本人と外国人労働者の最低賃金は同等でなければなりません。また、最低賃金以上の給与だった場合でも、外国人であるという差別的理由で、日本人従業員よりも給与を低くするということがないように注意しましょう。

外国人労働者についての法律やルールの知識を深める

外国人を採用した場合、外国人労働者にのみ必要な手続きや、適応される法律などがあります。こういった知識がないまま外国人労働者を雇用してしまうと、知らずのうちに法律を犯してしまうかもしれません。

外国人の雇用を検討する場合は、事前に法律やルールについて学ぶことが大切です。

外国人労働者の受け入れ体制を整える

外国人労働者にとって日本で働くことは、コミュニケーションやビジネスマナーへの不安も少なくないでしょう。とくに、技能実習生や留学生であれば、いきなりビジネスマナーの講

習をするよりも、まずは基礎的な日本語のサポートをしてあげるところから始めてみるのがおすすめ。

外国人労働者の人材紹介を支援してくれるサービスを利用する

外国人を雇用したいと思っても「うまくコミュニケーションがとれるか不安」「知識がない」といった悩みを抱えてる企業は少なくありません。その場合、外国人労働者の人材紹介を支援してくれるサービスを利用するのがおすすめです。人材募集から採用後まで、外国人労働者と採用企業の両方をサポートしてくれるので、スムーズに外国人雇用が叶います。

外国人労働者の受け入れの相談は「トクマド」がおすすめ

『トクマド』は、支援数実績600名以上、面談・面接実績40,000件以上の特定技能人材紹介・支援サービス。人材募集から採用後まで、サポートが充実しているのが特徴です。採用までの通訳や、手続きなどもおこなってくれるため「言葉が通じるか不安」「外国人人材の雇用知識がない」といった場合でも、スムーズに外国人労働者の雇用が可能です。

ベストマッチな人材を見極めるための面談があったり、採用面接は何度でも可能だったりと、ていねいに人材紹介をしてくれるほか、雇用に必要な手続きの管理監督もしてくれます。

終業後も外国人人材の生活から仕事までをサポート

トクマドは、終業後も外国人人材支援をおこなってくれるのも魅力の一つです。医療機関情報の提供や、銀行口座や携帯電話契約の支援、お部屋探しの支援といった、仕事面以外でも外国人人材の生活を幅広くサポートしてくれるのはうれしいポイント。

また、定期的な面談や、仕事の悩み相談などの対応もおこなってくれます。仕事の意義を理解してもらうための「お仕事マインドセット研修」もあり、定着率も期待できます。

特定技能の窓口「トクマド」はこちらから

外国人の最低賃金に関するよくある質問

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Q.外国人の最低賃金はいくら?

外国人の最低賃金は、日本人の最低賃金と同等です。最低賃金制度は、国籍にかかわらず適用されます。

Q.外国人労働者の賃金が低いのはなぜ?

技能実習生を受け入れる管理団体や、海外の送出機関の一部が最低賃金に設定しているため、技能実習の区分の平均賃金が18.17万円となっており、外国人労働者の平均賃金を下げています。

Q.外国人が日本で働きにくい理由は?

外国人技能実習制度では、入国時の日本語能力を問わないとしており、終業後に社員との会話が成り立たず、働きにくいという現状があります。

※”外国人材相談センター 公式サイト”参照

Q.日本で働く外国人は賃金についてどう思っている?

技能実習区分の外国人労働者の平均賃金は、日本の平均賃金よりも低く、給与水準が低いと感じている人は少なくありません。

外国人にも日本の最低賃金が適用される!

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日本では、国籍に関係なく最低賃金制度が適用されます。そのため、外国人労働者であっても、日本人と同じ最低賃金となります。万が一最低賃金未満の金額しか支払わなかった場合、罪に問われるほか、支払い義務が生じるので注意が必要です。

「外国人労働者を雇いたいけれど不安」という場合には、外国人労働者の人材紹介を支援してくれるサービスを利用してみてください。

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