出入国在留管理庁とはどんな施設？具体的な役割を紹介

2024年10月10日2024年10月29日

出入国在留管理庁は外国人の雇用で必ず関わってくる組織です。しかし、具体的に何をしている機関なのか疑問に思う方もいることでしょう。本記事では、出入国在留管理庁の特徴について紹介。具体的な役割について解説するので、気になった方は参考にしてみてください。

出入国在留管理庁とは

出入国在留管理庁は、2019年4月1日に新設された機関です。主に外国人の出入国や滞在、在留などを管理するところで、外国人の受け入れ窓口として機能しています。日本人の出入国の管理も担っており、海外へ旅行したり出張したりする場合も重要な存在です。

出入国在留管理庁がないと、違法な入国があったり、犯罪を脅かすような外国人を入国させてしまったりというようなリスクがあるので、日本の安全を守るためにも欠かせない機関といえます。

出入国在留管理庁と聞いて、入国管理局との違いは何だろうと疑問に感じた方もいることでしょう。

出入国在留管理庁は入国管理局が再編されたもので、2019年4月1日に新たな入国管理体制で始まりました。再編の背景には近年の外国人労働者の増加に伴い、厳格な出入国管理体制にしたいという意図があるそうです。

出入国在留管理庁の役割は、入国管理局と基本的に変わりません。出入国在留管理庁では具体的にどのような役割を持っているのか紹介します。

出入国在留管理庁の重要な役割の1つが、各種手続きの管理です。日本人や外国人の出入国を管理する出入国審査手続きや外国人の在留資格を審査する在留審査手続き、特別永住者証明書の交付などさまざまな手続きが出入国在留管理庁で行えます。

出入国審査手続き	・日本人や外国人の出国確認・日本人の帰国確認・外国人の上陸審査・出入国の事実確認
在留審査手続き	・在留資格の審査・在留期間の更新や変更など
在留管理制度に関する手続き	・在留カードを交付する手続き・日本に中・長期間在留する外国人が対象
特別永住証明書の交付に関する手続き	・「特別永住者証明書」の交付手続き
難民の認定に関する手続き	・難民の認定や難民認定された外国人の保護など・難民審査参与員が審理手続きを行い難民に相当するかどうか裁決

出入国在留管理庁では、在留する外国人が生活しやすいように支援も行っています。具体的には、仕事や留学目的で日本に在留する外国人の生活支援です。各地方出入国在留管理局や支局などで相談できるので、万が一日本での生活で困った際は問い合わせてみるとよいでしょう。

さらに出入国在留管理庁では、外国人生活支援ポータルサイトにて在留外国人に向けた情報発信をしています。日本のルールや制度、やさしい日本語ガイドライン、出入国在留管理庁からの情報発信などコンテンツは豊富です。

日本での暮らしに役立つ情報ばかりなので、ぜひチェックしてみてください。

出入国在留管理庁では、フレスク（FRESC）と呼ばれる支援施設を設置。外国人在留支援センターとも呼ばれており、外国人からの相談対応や外国人を雇用したい企業のサポートなどを行っています。

初めて外国人労働者を雇用する企業にとっては、フレスク（FRESC）の存在は必要不可欠といえるでしょう。

さらに、フレスク（FRESC）ではオンラインでの在留資格の申請も可能。在留期間の延長や資格変更などもできます。外国人の日常生活または雇用で何か困ったことがあれば、フレスク（FRESC）を活用してみてください。

【フレスクの窓口の詳細】

不法滞在者の摘発

日本でも外国人による不法滞在の問題は絶えません。出入国在留管理庁の調査によると、令和5年時点での日本での不法滞在者は7万491人いることが明らかになりました。前年と比較すると約3,700人の不法滞在者が増加しています。傾向として今後も外国人の不法滞在の問題が深刻化してくることが想定されます。（※）

出入国在留管理庁では、不法滞在者に関する問題を解消するべく不法滞在者の摘発も実施。不法入国者はもちろんのこと、在留期間を過ぎた外国人を調査し、必要に応じた処分を行っています。

不法滞在者は年々増加傾向にあるので、出入国在留管理庁の厳格な入国管理体制は重要といえるでしょう。