グローバル化が進む中、企業の中には多くの外国人労働者が働いています。一体なぜ、外国人が多い職場となっているのか不思議に感じる方もいることでしょう。本記事では、外国人が多い職場の特徴について紹介します。さらに外国人労働者を増やすポイントも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

外国人労働者が多い職種TOP5

厚生労働省の外国人雇用状況によると、令和4年10月の時点で外国人労働者の人数は1,822,725人です。中国やフィリピン、ベトナムなど東南アジア出身の外国人の割合が高い傾向にあります。（※）

そして気になるのが、外国人労働者が多い職種。厚生労働省の調査によると、以下の職種が外国人労働者が多い事が明らかになりました。

職種	人数	割合
製造業	485,128人	26.6%
サービス業	295,700人	16.2%
卸売業・小売業	237,928人	13.1%
宿泊業・飲食サービス業	208,981人	11.5%
建設業	116,789人	6.4%
教育・学習支援業	76,854人	4.2%
情報通信業	75,954人	4.2%
医療・福祉	74,339人	4.1%
その他	251,052人	13.8%

※“厚生労働省 公式HP”参照

製造業

外国人労働者の割合が高いのは、製造業です。技能実習や特定技能、技術・人文知識・国際業務などさまざまな在留資格に対応しており、多くの外国人が働いています。未経験でも始めやすい仕事であるため、ほかの職業と比べて外国人労働者の人数が多いのかもしれません。

さらに製造業の魅力は、技術スキルが身に着けられるところ。外国人労働者の中には自国の製造業を発展させたいと考えている方もいるので、そのような点から人気の職業といえるでしょう。

サービス業

2番目に外国人労働者が多い職種は、サービス業です。主にビルメンテナンスや警備、運輸業、クリーニングなど宿泊業や飲食業以外のサービス業が該当します。

サービス業が選ばれやすい背景は、高度なコミュニケーションを求められる必要がないためです。日本語を習得したものの、コミュニケーションを取るのが苦手に感じる外国人労働者は少なくありません。そのようなことから、人と接する機会が少ないサービス業が比較的人気が高いのかもしれません。

卸売業・小売業

卸売業・小売業は、倉庫管理や事務作業、商品管理、販売などの業務が該当します。代表的な仕事だと、コンビニやスーパーなどの店舗での業務がイメージしやすいでしょう。

卸売業・小売業も外国人労働者が多い職種の1つです。単純労働ばかりなので、外国人にとって取り組みやすい仕事といえます。サービス業と比べて接客する機会が多いですが、日本語でのコミュニケーションスキルを磨けるようになれば、柔軟に顧客対応ができるようになるでしょう。

宿泊業・飲食サービス業

宿泊業・飲食サービス業は、外国人労働者が多い職種の1つです。コロナ禍による自粛で一時的に増加率は減少しましたが、インバウンドの需要に伴い再び外国人労働者は増えつつあります。

宿泊業・飲食サービス業が人気の理由は、需要の高さや日本語スキルの向上、日本文化との接点が持てることなどさまざまです。いろいろな仕事を経験できるので、熱意にあふれる外国人にとっては魅力的な職業といえるでしょう。

さらに宿泊業・飲食サービス業では外国人の顧客も訪れるので、多言語を習得している外国人労働者は即戦力として期待が持てます。

建設業

建設業も外国人労働者に人気の職業です。先ほど紹介した製造業と同様に技術力が身に着けられるところから、多くの外国人労働者が携わっているのかもしれません。建設業は常に人手不足といわれているので、熱意にあふれている外国人が入ってくると生産力アップが期待できるでしょう。

さらに建設業は、幅広い在留資格に対応できるのが魅力です。技能実習や特定技能、資格外活動などの在留資格を持っていれば仕事に携わることができ、未経験の方でも対象のビザであれば就労できます。

外国人が多い職場の共通点と働きやすい環境にするヒントとは？

外国人労働者が多く働いている職場を見ると、どのような採用活動を行っているのか疑問に感じるところがあるでしょう。外国人が多い職場の共通点を模索することで、外国人労働者を増やすヒントが分かるかもしれません。

外国人が多い職場では、一体どのような共通点があるのか紹介します。

人材育成の環境が整っている

外国人労働者が多い職場の共通点は、人材育成の環境が整っていることです。マニュアル作成はもちろんのこと、研修やセミナー、資格取得、スタッフによる指導などさまざまな側面で人材育成の環境が充実していると、外国人労働者のスキルアップが期待できます。

外国人労働者のほとんどは、仕事に対する姿勢は真剣です。その外国人労働者のニーズに答えるために人材育成の環境が整っていると、さらに熱意をもって働いてくれるでしょう。

活発にコミュニケーションが取れている

外国人労働者が多い職場は、活発にコミュニケーションが取れているのがポイントです。初めて日本の企業で働く外国人は、しっかり働けるかどうか不安に感じる方は少なくありません。

しかし上司や同僚、周りのスタッフが外国人労働者に対して積極的にコミュニケーションを取ろうすることで、初めての日本の労働環境に対する不安を和らげられます。

反対に高圧的な態度で接したり、放置したりするなどコミュニケーションに問題があると外国人労働者の定着率を上げることは難しいでしょう。

業務上の連絡はもちろんのこと、挨拶や何気ない日常会話など積極的にコミュニケーションが取れているかどうかは外国人労働者にとって人気の職場になるかどうか重要な鍵といえます。

多様性を尊重している

外国人労働者が多い職場の共通点は、多様性を尊重していることです。外国人を雇うということは、日本とは違った文化の違いや価値観、考え方などを受け入れなければなりません。とくに複数の国の外国人を雇用するとなると、なおさら多様性を尊重する必要があるでしょう。

外国人労働者が多い職場では、そのような文化や価値観、考え方の違いを理解しているといえます。反対に異文化に対する理解度が低かったり、固定観念で否定したりすると外国人労働者にとっては居心地の悪さを感じやすいでしょう。

シフト調整がしやすい

外国人労働者が多い職場の共通点は、シフト調整のしやすさです。外国人労働者は、自分の働き方に対してこだわりを持っています。

例えば東南アジアの場合は「仕事よりもプライベートを優先させたい」と考えている方は珍しくありません。国によって仕事に対する取り組み方や考え方は異なるので、柔軟にシフト調整がしやすいかどうかが働きやすさにつながりやすくなります。

もし日本でありがちな長時間労働や残業などの仕事の取り組み方を押し付けてしまうと、外国人の中にはストレスや窮屈さを感じてしまうかもしれません。

より多くの外国人労働者を受け入れたい場合は、外国人個人に合わせた労働環境にすることが必要です。

サポート体制が整っている

外国人労働者が多い職場の共通点は、サポート体制が整っていることです。

外国人に限らず初めての労働環境は何かとトラブルがあります。例えば飲食店だとうまくオーダーが取れなかったり、コンビニの場合はレジトラブルで対応できなかったりとさまざまです。しかしトラブルの際に周囲がしっかりサポートしてくれることで、外国人労働者は安心して業務に専念できます。

外国人に限らず離職率の低い職場は、スタッフ同士でのフォローがしっかりしているのがポイントといえるでしょう。

外国人労働者が多い職場にするためのポイント

外国人労働者の採用を始めたものの、「なかなか外国人が集まってこない」「雇ってもすぐに辞めてしまう」というような悩みを抱えている方もいるはずです。ここからは、外国人労働者が多い職場にするためのポイントを紹介します。

受け入れ体制を整える

外国人労働者が多い職場にするためには、受け入れ体制を整えることが重要です。マニュアル作成や研修、スタッフによる指導、トラブル時のサポート対応など外国人労働者にとって働きやすい環境にすることで離職率増加の予防につながりやすくなります。

もし受け入れ体制を整えたものの外国人労働者が定着しない場合は、体制内容に問題がないか今一度見直すことが必要です。外国人労働者本人はもちろんのこと、周囲のスタッフに直接聞き受け入れ態勢に課題がないか模索してみてください。

個人面談する

外国人労働者にとって働きやすい環境にするためには、個人面談が有効です。個人面談を通して今の働き方に対する不満や人間関係、福利厚生、今後のキャリアアップなど細かく聞くことで、職場で抱える課題点が見えやすくなります。

面談を通して、外国人労働者にとって働きやすい環境となるヒントを探ってみてください。

ミスマッチを少なくする

もし外国人労働者の短期離職が目立つ場合は、業務内容でミスマッチが生じている可能性があります。このようなミスマッチを予防するためには、面接時に業務内容について細かく説明することが必要です。外国人労働者の中には業務内容はもちろんの事、日本の労働環境や働き方などで理解が乏しい部分があります。

採用後のミスマッチを減らすためにも、外国人労働者に業務内容について丁寧に説明しましょう。

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出典：https://careema.jp/

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外国人が多い職場にしよう

本記事では、外国人が多い職場の特徴を紹介しました。外国人が多い職場の共通点は、外国人労働者にとって働きやすい環境が整っていることです。職場環境を詳細に分析すれば、外国人労働者を増やすヒントが得られるかもしれません。外国人労働者の採用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。